Griffith

加藤 淳
原 健太
村田 和也
平澤 直
Griffith Sketch無償公開中

アイデアスケッチのためのWebアプリ「Griffith Sketch」については こちら をご覧ください。

Fig. 1
Griffithの絵コンテ編集用画面

概要

日本のアニメ制作における絵コンテは、多くの場合A4サイズに絵と脚本を5コマずつ記入した紙の束として作成され、後工程に渡されます。既存の絵コンテ制作支援ツールは主に海外製で、そうしたフォーマットに対応しておらず、アニメ監督はイラスト制作ツールやPDFのアノテーションツールを流用して、絵コンテ制作プロセスを独自にデジタル化してきました。

本研究では、日本固有の絵コンテ制作の現状を分析して効果的にデジタル化するための要件について整理したうえで、Webベースの絵コンテ制作支援システムGriffithを提案します。

設計指針

絵コンテ制作のワークフローに関する監督取材などを元に、以下の設計指針を明らかにしました。

1. 描くための設計指針

モバイルデバイスで動作する(どこでも描ける)
シンプルな描き味を実現する(気持ちよく描ける)
必要に応じてフォーマットを崩せる(自由に描ける)

2. 語るための設計指針

時系列を横でなく縦向きに取る
物語の全貌を確認しやすくする
物語のプロトタイピングをしやすくする

3. 協力するための設計指針

紙に印刷できる
インターネット越しで共同作業できる
絵コンテの簡易的な再生(プリビズ)に対応している

Griffithの概要

Griffithは上記の設計指針に沿って開発されており、以下のような特徴を備えています。

筆圧検知をサポートしたシンプルな描き味
コマが縦向きに並ぶ俯瞰ビュー
iPad等、多様なWebブラウザ搭載端末で動作

Fig. 2
Griffithの絵コンテ閲覧用画面

Fig. 3a
Griffithの印刷用ページ出力例 (p.1)

Fig. 3b
Griffithの印刷用ページ出力例 (p.9)

Fig. 3a
Griffithの印刷用ページ出力例 (p.13)

発表文献

Griffith: Prototype of A Web-based Tool for Authoring Japanese Anime Storyboards
Jun Kato, Kazuya Murata, Kenta Hara, Satoko Okuno, Tetsushi Suzuki and Nao Hirasawa, 2022/3 (Best Poster Award; non-archival poster presentation). ISID 2022 (Online).
Past, Present, and Future of Storyboarding in Japanese Animation*
Jun Kato, Ryotaro Mihara, Nao Hirasawa, 2020/6 2021/6/15 (non-archival oral presentation). SAS 2020 SAS 2021 (New Orleans, LA, USA Online).
Research on Anime Storyboards for Individual and Collaborative Creativity
Jun Kato, Ryotaro Mihara, Kazuya Murata, Kenta Hara, Nao Hirasawa, 2021/3 (Best Poster Award; non-archival poster presentation). ISID 2021 (Online).
アニメ技術 2019秋
Tetsushi Suzuki, Jun Kato, Tatsuki Oshima (Eds.), 2019/9/22. 技術書典7 (Tokyo, Japan).
Griffith: Webベースの絵コンテ制作支援ツール
Jun Kato, Kenta Hara, Kazuya Murata, Nao Hirasawa, 2019/6/29. VC 2019 (Tokyo, Japan; poster presentation, non-archival).
アニメ技術 2019春
Tetsushi Suzuki, Jun Kato, Yuki Suzuki (Eds.), 2019/4/14. 技術書典6 (Tokyo, Japan).
J-LOD4について

本プロジェクトは2021年7月特定非営利活動法人 映像産業振興機構の支援する補助事業「J-LOD4」に採択されました。

これによりシステム開発を加速でき、プロトタイプシステムを用いて568コマの絵コンテを作成できた他、6事業者・ステークホルダーによる試用やインタビューを実施することで、システムの有用性を確認できました。一方で、本格的な商業展開を開始するうえでの課題も確認できたため、今後も開発を継続して参ります。